微生物学研究グループ(横田・後藤)
1. ピロリ菌と胃がん発症(横田G)
2. エリザベスキンギア菌の免疫回避(後藤G)
3. 薬剤耐性菌のゲノミクス(後藤G)
4. 昆虫食の安全性と昆虫腸内細菌叢(後藤G)
5. 疾患と細菌叢の関係(後藤G)
ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、強酸性の胃の中に生息し、胃がんの原因となる細菌です。ピロリ菌による発がんメカニズムの一つとして硝酸塩還元菌による発がん物質産生を提唱しています。硝酸塩還元菌はヒトの口腔や咽頭に生息する常在菌でピロリ菌感染症患者の胃の中に検出されます。
キーワード:胃がん、硝酸塩還元菌
エリザベスキンギア菌(Elizabethkingia anophelis)は2011年に初めてヒトの感染症を起こすことがわかった新興感染症です。2014年には米国で致死率30%という深刻なアウトブレイクを引き起こしました。私たちはエリザベスキンギア菌の持つ病原性について解析しています。エリザベスキンギア菌がマクロファージ培養細胞の分化を抑制することを見出しました。細菌による免疫抑制メカニズムを解明することで、マクロファージの過剰な働きで起こる疾患を治療する手がかりが得られるかもしれません。
キーワード:新興感染症、マクロファージ
ポストコロナ時代には薬剤耐性菌(Antimicrobial Resistances, AMR)が、世界的脅威になると予測されています。
私たちはこれまでに、
・カルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)
・多剤耐性アシネトバクター(MDRA)
・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
・リネゾリド耐性VRE
・ダプトマイシン耐性コリネバクテリウム
について、耐性遺伝子の由来や既存薬のリバイバルによる治療法などの研究を行ってきました。
キーワード:次世代シークエンサー、データサイエンス
臨床支援
岡山大学病院 感染制御部、感染制御チーム(ICT)の要請で院内感染の予防に役立つ知見を提供しています。パルスフィールド電気泳動などの遺伝学的ツールを使って院内感染の『分子捜査』を行います。
キーワード:分子疫学、院内感染
持続可能なタンパク質源として食用昆虫が期待されています。中でも食用コオロギ(フタホシコオロギ、Gryllus bimaculatus)は、コオロギパウダー入り食品としてすでに市場に出回っています。私たちは、食用コオロギによる食中毒リスクを実験的に解析しています。
キーワード:SDGs、食品衛生、食中毒菌
がんマイクロビオーム
キーワード:脳腫瘍、パラフィン包埋
フレイルと腸内細菌叢
キーワード:体重、フレイル、腸内細菌
胆石細菌叢
キーワード:胆管ステント